XMLに対する取り組み
SCREENクリエイティブコミュニケーションズの取り組みの概要
- WordデータからXMLデータを作成する: 変換作業、および変換ツールの自社開発。
- ExcelデータからXMLデータを作成する: 変換作業、および変換ツールの自社開発。
- XMLデータからPDFをつくる「自動組版」: アンテナハウス社の「AH Formatter」を使います。
当社では、「AH Formatter」にXMLデータを読み込ませるための、XSL/FOへの変換(自動組版)ツールも自社で開発しています。 - XMLデータからHTMLをつくる「自動組版」: 変換作業、および変換ツールの自社開発。
- TMXの再利用: 翻訳支援ソフト「TRADOS」の翻訳データ形式の一つである「TMX」を、Excelの表にしたり、HTML上でテーブルとして表示させて、「TRADOS」の無い環境でも閲覧できる仕組みの開発。
取り組みの軌跡
「SGML/XMLを使ったマニュアル(ドキュメント)の『自動組版』を行う」 ― 簡単に言うと、このような号令の下で研究し、同時に試行錯誤を進めてきました。
「XMLをつくる」という分野では、当初は「メモ帳」などのテキストエディターでタグを書いたり、海外製のソフトウエアで「DTD」と呼ばれる文書型定義ファイルをつくったりと、手探りでの作業や模索の連続でした。そんな苦難の時代を経て、「XML ASSIST」(富士電機総設社)を使ってWord(RTF)文書をXMLに変換することにより、マニュアルのXMLをつくり始められるまでになりました。
「自動組版を行う」という分野では、当時の大日本スクリーン製造のグループ会社だった(株)ページコンプ研究所から販売されていた「BookStudio」というソフトウエアを駆使し、XMLデータをPDF文書へと自動で組み版を行うことに成功しました。また並行して、HTMLでもプレビュー表示できるよう、独自のツールの開発を進めていました。その後、アンテナハウス社の「XSL Formatter」(現在の「AH Formatter」)の検討を進め、導入・運用に至っています。
そして、「自在空間」という名の当社独自のCMSを開発し、「XMLを管理する」という取り組みを開始しました。この「自在空間」というシステムの開発に当たっては、翻訳による多言語展開に威力を発揮する「翻訳差分処理」を実現し、特許を取得しました。現在も、この「翻訳差分処理」を最大限に活用し、XMLによるドキュメントの多言語版を効率的に制作しています。
なお、「XMLをつくる」分野では、2005年ごろから独自の開発を繰り返し、WordML(「Word2003」のXML保存データ)を当社製フォーマットのXMLに変換する技術を確立しました。この技術によって、WordだけでなくCSVやTSVなどのテキストデータやExcelデータなどのXML化が可能になりました。
「自動組版を行う」についても、PDFやHTMLにとどまることなく、電子書籍「ePub」や、「InDesign」との互換データであるIDML(INX)、「FrameMaker」との互換データであるMIFを対象とした自動組版についても、鋭意開発を進めています。